2015年5月23日土曜日

Ca・P代謝

カルシウム

⚫️ 概要
カルシウム
・人体のCa総量は1Kg、そのうち99%がハイドロキシアパタイトとして骨に貯蔵
 1%が細胞内に存在、0.1%ぐらいが細胞外液中に存在
・血清 Caの40%が血清アルブミンと結合
      10%が他の陰イオンと結合
      50%がCa2+として存在
・血清Caの内、生物活性を示すのはイオン化Ca
・総Ca正常値:8.5〜10.5 mg/dL (2.12〜2.62 mmol/L) 
 イオンCa正常値:4.65〜5.25 mg/dL (1.16〜1.31 mmol/L)
・Ca測定値は、血清総Caを測定
 →低Alb血症があれば、実測Ca値は低値になる
 →補正Ca値=実測Ca(mg/dl)+(4−Alb濃度g/dl)
 →補正Ca濃度正常なら、イオン化Ca値も正常と考えられる
 ※Albが1g/dL下がると、総Caは大体0.8 mg/dL下がる 
・アシドーシスではAlb結合↓、アルカローシスでAlb結合↑
・Caの吸収部位は十二指腸、空腸上部で能動輸送により吸収
・代謝調節ホルミン:PTH、カルシトニン、活性型ビタミンD3

⚫️  PTH
・働き:血清Ca2+を増加、血清リン酸増加
・調節:PTHの分泌は血清Ca濃度のフィードバック調節
・合成:副甲状腺の主細胞から分泌
・作用:
 ①Caに対する作用
  −破骨細胞を間接的に刺激.破骨細胞増殖して、骨吸収を促進
 −遠位尿細管とヘンレ係蹄上行脚でカルシウムおよびマグネシウムの再吸収を亢進
 ②リンに対する作用
 −骨吸収により、骨からPの放出促進
 −近位尿細管におけるリンの再吸収を抑制して排泄
 →結果としてPは低下の方向
 ③その他
 −VitDの皮膚での生成促進
 −腎での1,25-dihydroxyvitaminD(calcitriol)産生を促進して、その結果腸でのCa吸収の
   亢進

⚫️ VitD

・働き:血中Ca2+増加、リン酸増加
・調節:PTHで活性化促進、活性型VitDで抑制
・合成:VitDは皮膚のコレステロールが紫外線暴露されると生成される
      基本、食事から摂らないと欠乏症になる
    VitD活性化は2段階:ステロイド骨格の25位が肝臓で水酸化(-OH)され、
    1位が腎臓で水酸化され活性化
    25[OH]D:calcidiol、1,25[OH]2D:calcitriol、
    Ergocalciferol (vitamin D2)、Cholecalciferol (vitamin D3)
・作用:
 ①Caに対する作用
 −小腸でCa吸収を亢進
 −腎尿細管でのCa再吸収亢進
 −高濃度で骨吸収促進
 ②リンに対する作用
 −腸管でのリンの吸収亢進
 ③その他
 −PTH遺伝子転写の抑制→PTH分泌低下

⚫️ カルシトニン

・働き:血中Ca2+低下、リン酸低下
・調整:高血清Caで分泌亢進、低血清Caで分泌低下
・合成:甲状腺C細胞から分泌
・作用:
 ①Caの対する作用
  −破骨細胞のカルシトニン受容体に直接作用し、破骨細胞を抑制
   骨へのCaとPの沈着を亢
 −腎臓でのCa排泄亢進
 ②リンへの作用
 −骨への沈着促進


リン

⚫️ 概要
・体内のPの85%はハイドロキシアパタイトととして骨に存在
・残りは細胞膜、細胞内に存在
・生体内ではリン酸(HPO42-:H2PO4-が4:1)で存在、平均荷電は1.7
・血中濃度はPの量で表される
 →P分子量は31、血中P3.1mg/dl=1mmol/l=1.7mEq
・細胞外液中に存在するのは0.1%程度
・長期的なリン濃度は腎尿細管リン再吸収(大部分が近位尿細管)で規定されるみたい
・リンの調節因子はいまいち解明されていない

http://www7b.biglobe.ne.jp/~arai-kyousei1982/karushiumutorinnnotaisha.html

輸液療法の進め方ノート ISBN 978-4-7581-0678-8


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