2015年4月10日金曜日

Hepatorenal Syndromeマネジメント

Hepatorenal Syndrome

1)基本

・定義
 腹水を伴う肝硬変で、Cr>1.5 mg/dlで最低2日間の利尿薬offでも、
 アルブミン投与後でも腎機能の改善無い場合

・機序
 - portal Hypertensionから、体血管抵抗↓
 - CO↑で代償するも、肝硬変末期にはCOもなかなか上がらなくなってくる
 - レニンアンギオテンシン系↑、交感神経活性↑、ADH↑
 - 腎血流量低下して腎機能低下
 ※末期の人はプロスタグランジンの効果で、腎血流量を増やそうとしている。
 NSAIDSとかでプロスタグランジン合成阻害されると、一気に腎機能低下進んだりする
 ※SBPやSepsis,GI-BleedingなどはHepatorenal Syndromeの引き金となりうる

・分類
 - Type1: <2 週間で2倍以上のクレアチニン上昇、(Cr>2.5mg/dl)
      度々Oligourieをともなう.
      基本的にはPredisposing Factorsが存在すること多い
 - Type2: Type1のように急速進行でないもの、安定的なもの

2)鑑別

肝硬変でよくある腎機能障害鑑別

①Hepatorenal syndrome
・定義
   - Cr>1.5 mg/dlで最低2日間の利尿薬offでも、アルブミン投与後でも腎機能の改善
   無い場合
②Hypovolemia-induced renal failure 
 - GI-Bleeding, 下痢嘔吐や利尿薬による
   腎予備能ないのであっとゆう間に腎不全になったりする
③Parenchymal renal disease 
 - 尿沈渣や尿タンパクで異常なものは腎実質障害の可能性を考慮
 ※ATNはHepatorenal Syndromeとの鑑別難しい。どちらでも顆粒円柱みられる
 し。FENa<1 .0="">
 だけど、長期の肝腎症候群でATNに移行してるのかも。
 SepsisやSchock先行していたらATNかもしれない
 ATNでは急激なクレアチニン上昇
④Drug-induced renal failure

3)検査

まず、他の原因を排除すること!!
①腎機能検査
・クレアチニン
 - Cr: 0.3-0.5mg/dlの上昇はGFRの↓↓を反映しうる
 ※肝硬変では、筋肉量↓尿細管でのクレアチニン分泌↑などで、
  GFR計算値が多く見積もられる可能性あり
 - 血清Na<130mmol/lや血清<尿浸透圧
・尿電解質, たんぱく
 - 尿タンパク>500mg/dayや尿沈渣異常(eg. >50RBC/強拡)は腎実質障害のサイン
 - HRSではurine sodium<10 mEq/dayとか
・腎エコー
 - 基本的に、肝腎症候群では腎エコー所見は正常

②肝機能検査
③感染症検索
- 肝硬変ではSplenomegalyで感染下においても、Leukozytose呈さないことある
- SBPはHepatorenalSyndrome引き起こして、感染完治後もそのままクレアチニン上
  昇残ること多い

4)マネジメント

①General
- 肝硬変の原因に応じて禁酒、HepB/Cウィルス治療
- 肝移植
- hypovolemic HyponatremiaにはTM:<1L
- Spironolactoneオフ
- ループで対応不能な大量腹水は抜くしかない
- 腹水1L除去毎に8gのアルブミン静注

②Vasoconstrictor+Albumin
※VasoconstrictorのエビデンスがあるのはTyp1。つまりここではacuteに生じてきたHepatorenalSyndromeに対する治療
※感染症合併のTyp1には今の所エビデンス薄い
※10%ぐらいで、循環器系、虚血系の合併症でるよ
※MAPを10-15mmHg上げることが目標:クレアチニンの低下に相関する
※テルリプレシンとノルエピでクレアチニンの下りは同じくらいかな
 テルリプレシンのが腸管虚血、心筋虚血、不整脈などの副作用が多かった
※テルリプレシン>ミドドリン+Octreotideでエビデンスが濃い
 
・Terlipressin
 - 0.5-2mg q 4-6H iv
 - Crが1-1.2mg/dlさがるまで増量
 - 治療期間5d-2wまで

・Norepinephrine
 - 0.5-3 mg/hr 持続iv
 - 目標:MAP10mmHg↑
 - Crが1-1.2mg/dlさがるまで

・ミドドリン+Octreotide
 - ミドドリン:7.5-12.5mgx3/d PO
 - Octreotide:100-200ugx3/d sc

・Albumin
 - Day1: 1g/kg (max100g), dann 25-50g/d Vasoconstrictor off まで
 - アルブミン自体に確たるエビデンスはないが、Vasoconstrictorとコンビで使われる

③Dialysis
 - 特筆すべきことなし。やらなきゃいけない時にはするしかない
 - エビデンス的にはうすい

④TIPS
 - エビデンスなし

NEJM/UpToDate/DynaMed

0 件のコメント :